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薬物犯罪と薬物の有害性

 

大麻の有害性について

大麻の有害性について
 
大麻の有害性について
昨今,インターネット上では大麻の有害性を否定する言説,また大麻の人体に及ぼす危険性は酒や煙草よりも低いとする言説が見られます。
大学生など若者を中心に大麻汚染が拡大していると報じられていますが,このようなインターネット上の言説を安易に信用してしまい,大麻に手を染めてしまうのではないかと思われます。
 
 
大麻の有害性については,厚生労働省ホームページの「大麻に関する正しい知識」を読まれると良いと思います。
 
裁判例では,名古屋高等裁判所平成12年8月1日決定(高等裁判所刑事裁判速報集(平12)号169頁) が,下記の通り判示して大麻の有害性を肯定しています。
 
「大麻が精神薬理的作用を有し,それが人体に有害なものであることは公知の事実である。すなわち,大麻はこれを摂取することにより陶酔的になったり多幸感をもたらす反面,衝動的あるいは興奮状態や不安恐怖状態になったり,妄想や幻覚の発現,パニック反応などが生ずることもあり,特に多量摂取の場合には,幻視,幻聴が現れたり,錯乱状態になることがあること,身体的依存性については否定的な見解が強い反面,多用者や常用者については精神的依存性がみられること,慢性的な人格障害として,自発性や意欲,気力の減退,生活の退嬰化が生じ得ることなどが認められている。したがって,大麻有害性を否定する所論は,採るを得ない」
 
 
私は薬物事犯の専門家ではありませんが,従前,大麻取締法違反を含めた薬物事犯を弁護した経験からは,大麻を(医療用として限られたときに用いるのではなく)常用した場合には,顕著な有害性があると考えております。
上記の名古屋高裁決定にも記述されている通り,その有害性は身体的なものではありません。主に精神的な点での有害性です。
身体的な意味での有害性であれば,煙草のほうが有害と言えるでしょう。煙草は,肺をはじめとする臓器や血管に悪影響を及ぼします。ただ,それはあくまで身体的な有害性に留まるものであり,煙草には,大麻のように人の精神活動まで遅滞させる危険があるわけではありません。
一口に有害性と言っても,その有害性の内容は煙草と大麻で異なるのです。
煙草のほうが身体的に害を及ぼす危険が高いからと言って,大麻の危険は煙草よりも低い,だから大麻を規制すべきではない,というのは明らかな誤導です。
 
大麻によって悪影響があるのは,人としての思考能力の部分です。
この思考能力というのは,数学的思考力や語学力等の「学力」とはまた異なるものです。
 
例えば,他人に対して無理な頼みごとをする時には,通常の人であれば,言いにくそうに(申し訳なさそうに)前置きをして,低姿勢で頼み込むのが普通でしょう。
それは,頼みごとをするほうに「対等な姿勢や傲慢な姿勢で頼んだとすれば相手は嫌な気分がするかもしれない」「その場合は頼みごとを聞いてくれないかもしれない」「そもそも相手を嫌な気持ちにさせたくない」等という思考がはたらいているためです。
言い換えれば事前に相手の考えること・思うことを予測して,それに備えているとも言えます。
これは学力とは関係はありませんが,人が社会生活を営むにあたって不可欠な思考能力と言えるでしょう。相手の不都合を先に予測して,どのような態度をとるか決定しているのです。
 
ところが,大麻常用者に関しては,この思考能力が停滞している場合が多いという印象を受けます。
無理な頼みごとをされた結果として相手がどのような気持になるか考えることができない,また,仮に考えられたとしても,そのために自分の行動をどうすべきか(丁寧に頼むべきではないか)というところまで思考が及ばないのです。
結果として,通常であれば申し訳なさそうに頼むべきような無理な頼みごとを,それに相応しくない態度で頼んでしまう,というようなことになります。
当然,受け取る側にとっては非常識,傲慢,横柄に映ります。
結果として頼みごとを冷たく断られた場合も,客観的に見れば仕方ないことなのですが,本人からすれば冷たくされる理由がわからないのです。したがって,通常以上に大きな怒りや失望を味わうことになります。
本人(大麻常用者)に悪気はないのです。本人は「ただ純粋に頼みごとをしているだけ,なのに何で冷たく断るんだ」という受け取り方なのでしょう。
より本能的になっているとも言えます。人間,特に大人として必要な現実対処能力がなくなっている分,自分のしたいことだけが見えているという状況です。
現実に対処するための力が低下しているため,考え方が子どもっぽく退行し,空想的になり,悪い事態(例えば,大麻取締法違反で逮捕・勾留されている事態)を変えるために,実現困難な方策を自分で考案してそれを真面目な様子で提案してきたりもします。これでも本人としては自分が冴えている,良い方策を思いついているようなつもりなのです。頑固な性格の人がこうなった場合,いくら無理だと説得しても聞き分けないということにもなります。
このようなことでは,いずれ通常の社会生活は営むことはできなくなるのです。 
 
社会の中で生活していくということをしない人間というものを想定するなら,大麻は煙草よりも害は少ないというのは,一応の理屈ではあると思います。
実際に最近(2016年),限界集落で少人数の大麻コミュニティを形成していた者達が逮捕されたという報道がありました。やはり大麻常用者となると一般的な社会(世間)と隔絶された環境でしか生きられなくなってくるのだろうと思われます。
しかし,現実には,人間は社会と切り離された形では生活はできません。
そして,人の社会生活に関して必要な思考能力(現実に対処する能力・相手の気持を読み取る能力)を奪う大麻は,煙草や酒よりもはるかに有害性の高い薬物であると言えます。
 
国が大麻を規制していることには相応の理由があるのです(アメリカでも大麻は完全に合法というわけではなく,多くの州では医療用以外は禁止されていますし,合法州でも解雇理由になるという判決は出ています)。
 
当然,私は弁護士ですから,大麻取締法違反事件の弁護をする際には,事件により,無罪や,有利な量刑を得るための努力は惜しみません。
ただ,大麻常用者を弁護するためには,本人に大麻の有害性をよく認識してもらうことが重要なのです。
 
もしこのページをお読みの学生など若い方がおられるのであれば,大麻の有害性が低い等という言説を安易に信用するのではなく,大麻がいかに有害で怖いものであるか,良く知っていただきたいと思います。
 
 

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