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会社法

 

株式

株式
 
株式の源流
株(株式)とは,株式会社の構成員たる地位のことです。
株式会社が利益の配当を行う場合はその配当金を受け取ることができます。
また,株式会社の運営にかかわる事項のうち,基礎的で重大な事項について決議をする際の議決権の源泉でもあります。
 
株式(会社)の趣旨は,経営(運営)失敗のリスクを分散させて,多額の資金調達を可能とすることにあります。
 
株(株式)制度が編み出された歴史の源流には,イギリス東インド会社があると言われています。
 
17世紀ころのイギリスを想定します。
(なお、説明用の例示としてポンドを用いますが、通貨のレートが妥当であるかどうかは度外視していただければと思います)
当時,アジアまでの航海(貿易)は,香辛料や綿などで多額の利益を生み出すものの,失敗する可能性も高いものでした。
難破,疫病,襲撃等々のリスクは今よりも格段に高かったわけです。
仮に,ある港町から,4万ポンドの収入が見込まれる航海に乗り出すために,1万ポンドの先行費用が必要だったとします。
スポンサーになり得るのはその街にあるA家,B家,C家,D家,E家の5つの商家とします。
例えばA家が単独で1万ポンドの費用を支出した場合,収入(4万ポンド)から先行費用(1万ポンド)を控除した3万ポンドは,航海が成功すれば全てA家のものです。しかし,航海が失敗すればA家は1万ポンドを失うこととなります。
もしA家だけが1万ポンドという巨額の損失を出せば,B家,C家,D家,E家に大きく水を開けられてしまい,商家としては一つだけ破綻してしまうかもしれません。
A家はそのリスクを嫌って1万ポンドを出さないとします。
そして,B家,C家,D家,E家も同じようにリスクを嫌って1万ポンドを出さないとします。
こうなると,そもそも航海に乗り出すことができません。
しかし,それは港町全体の衰退を招きますし,当時海洋国家としてオランダと競っていたイギリスの経済全体の地位低下を招きかねません。
 
そこで編み出されたのが,今でいう株式に似た方法です。
A家,B家,C家,D家,E家がそれぞれ先行費用の20%,2000ポンドずつを航海のために出資します。
これで航海に必要な1万ポンドは足りることになります。
その代わり,航海が成功すれば収入の4万ポンドは20%ずつ分け合います。
つまり,A家は4万ポンドの20%である8000ポンドから,先行出資した2000ポンドを差し引いた6000ポンドを儲けることになります。
他のB家,C家,D家,E家も同様です。
なお,航海が失敗した場合はA家,B家,C家,D家,E家共通で2000ポンドの損失を計上することになりますが,横並びで損失を出すわけですから,少なくとも他の商家に後れをとることにはなりません。
航海の成功率が60%だとして,同条件で10回航海をした場合は
10回分の見込収入 6000ポンド×10回×60%=3万6000ポンド
10回分の費用   2000ポンド×10回=2万ポンド
となり,合計概ね1万6000ポンド程度の儲けを見込むことができるわけです。
繰り返せば繰り返すほど儲け率は上がっていきます。
A家,B家,C家,D家,E家のいずれにとっても,長い目で見れば巨額の利益となっていくわけです。
 
投資をする側は「自分だけが損をして落ちぶれる」ことを恐れます。
その結果として消極的な選択をしてしまうことも多いわけです。
しかし,それでは産業は成り立ちません。資金が足りなければ小規模な営業活動しかできないのです。それは単純に機会の損失というだけでなく,その都市あるいは国家全体の経済の停滞を招きます。
そこで,成功した場合はその出資額に応じて山分けとし,また失敗した場合でも損失のリスクが分散されるように,それぞれお金を出し合い,出したお金の分だけ利益の配当が受けられる仕組みが作られたわけです。
これにより,一人の個人や一つの商家だけでは支出困難な多額の資金を集金して運用することが可能となりました。
これが株(株式)の源流です。
 
 
商品としての株式
株式は,後に商品としての機能を獲得していくことになります。
 
前回の大航海時代の例で説明します。
B家は,航海の前に2000ポンドの出資をしました。
B家はこれにより,航海(貿易)が成功すれば想定8000ポンドの配当が得られるという権利(実際の東インド会社は株式会社ではないですが,便宜上この権利を株式と呼びます)を有することになります。
 
しかし,B家にて娘が中流貴族の男性と結婚することになり,急きょ,持参金として4000ポンドが必要になったとします。
降って湧いたような話であり,B家には2000ポンド程度の資金しかなく,金が2,3ヶ月内には必要とします。
B家の手持ち資金2000ポンドを全て支出しても半分にしかならず,2000ポンド足りません。
持参金は,航海の収入(8000ポンド)があるならば,費用を差し引いても十分支払える額です。
しかし,航海が成功するかどうかわかりません。
また,航海(貿易)が成功したとしても船がイギリスに帰ってくるまでは最短で1年間程度を要し,今すぐ金が必要なB家は航海終了を待っていられないとします。
 
この場合,B家はどう行動するでしょうか。
 
想定8000ポンドの収入が得られるであろう権利(株式)を,誰かに売却するわけです。
つまり,株式を商品にしてしまうのです。
もちろん,8000ポンドそのままでは売れません。
そもそも航海が失敗する可能性がありますし,金が入ってきたとしても1年後です。
ですので、相当値引きしなければ買い手がつかないでしょう。
 
新興のF家がB家の株式の買い取りをすることになりました。
航海が成功すれば1年後に8000ポンドが入ってくるという権利(株式)が,B家からF家に3000ポンドで売却されたとします。
これにより,B家は3000ポンドの現金を得ることになります。大きく儲ける機会は逃しましたが,先行費用が2000ポンドであったことを考えても差引1000ポンドの利益を確定しています。
なお,娘の結婚持参金4000ポンドも手持ち資金2000ポンドと合わせれば何とか支出可能です。。
航海が成功しなかった場合の収入ゼロ(先行費用2000ポンド損失)と比較すれば遥かに良い結果です。何より即金が用意できたということが大きいわけです。
 
逆に,F家は1年待ってみて,航海が成功すれば,配当金8000ポンドから株式買取金額3000ポンドを除いた5000ポンドの儲けを,何ら労せずして得ることになります。
ただし,航海が失敗した場合や,予想よりも上手く収入が入らなかった場合は最大3000ポンドの丸損となります。
 
いずれにせよ,重要なことは,このようにして,株式(配当を得る権利)は現金を得るための手段として売買されうるものとなったということです。
現代では,この売買のほうが,人々が株式を意識する主要な局面となっています。
 

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