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多数の弁護士への大量懲戒請求問題について

 

弁護士への大量懲戒請求問題について

弁護士への大量懲戒請求問題について
 
多数の弁護士への大量懲戒請求問題
2018年現在,日弁連や全国の弁護士会への不当な大量懲戒請求が問題となり,マスコミ等に報じられています。
 
当会への懲戒請求の内容は,概ね「違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し,その活動を推進する行為は,日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の確信的犯罪行為である」というもので,到底,理由づけの体をなしていないものです。
私も2017年当時は弁護士会役員でしたので,この懲戒請求書が届いています。
弁護士会としての対応は弁護士会が行うことですので,ここでは論及しません。
 
現在,不当な懲戒請求に対する損害賠償請求訴訟を提起する動きがあります。
懲戒請求制度の趣旨に全く外れた行為に対し,これを不法行為であるとして損害賠償を請求すること自体は有り得ることであろうと思われます。
勝訴・敗訴は現時点では不明ですが,弁護士側からの訴訟提起自体は,従前の判例に照らして不法行為と評価されうる可能性のある行為について,実際に不法行為に当たると主張し,その判断を裁判所に委ねるものですので,その弁護士らの行動が特段不当とも思われません。
 
この問題がマスコミで報じられた後,不当な懲戒請求の何が問題であるかを悟り,懲戒請求者の中では自ら謝罪文を作成して各事務所に送付される方もおられるようです。
当事務所でも既に数通,謝罪文をいただいております。
いずれも拝読させていただいております。
 
 
わかりやすい「悪役」を求める危険
報道や,当事務所に届いた謝罪文を読む限り,インターネット上のブログで今回の大量懲戒請求が扇動されたようです。
 
私も,参考までに,その扇動したブログと同名の書籍や漫画を読んでみました。
読んでみて思うことは,とにかくその文章や漫画の中では,特定の国出身の人・またはその国と関わりのある人が「わかりやすい悪役」にされていることです。
とにかく日本を乗っ取ることしか考えていない,日本人を害することしか考えていない,そういった,きわめてわかりやすい悪役像が,そこに描かれています。
 
しかし,ごく単純な事実ですが「良いことをする外国人もいれば,悪いことをする外国人もいる」。
そして当然「良いことをする日本人もいれば,悪いことをする日本人もいる」。
それだけのことではないでしょうか。
 
その扇動者やその先達の人が,外国人に対して悪いイメージを持つこと自体は,個人の自由ですので,それに対して云々論及するつもりはありません。
しかし,それは「イメージ」であって「事実」であるかどうかは全く不明であるわけです。
 
もし子供向け漫画やゲームのように,何か一人(あるいは一部)わかりやすい悪役が実在していて,それさえ取り除けば世の中の人は全て幸せになるというのであれば,そんなに簡単なことは有りません。
実際にはそうではないから,社会問題はほぼ全て困難なものであるのです。
 
おそらく大量懲戒請求に関与してしまった人は,その特定の外国人を日本から追い出せば日本は良くなる,それこそが正義だと考えたのでしょう。
そうすることで少しでも日本のために貢献できると思っていて,ある種の署名活動や募金活動のような感覚だったのかもしれません。
しかし,その「正義」の源泉にある事実把握(特定の外国人は皆が悪である)が完全に誤っているとすれば,その人にとっては「正義」の行動でも,周囲から見たら悪・不善,少なくとも無意味な迷惑行動でしかないこともあります。
 
現状に対する不満から来る間違った把握と純粋な思いというものはとかく利用されやすいものです。
ナチス支配のドイツでユダヤ人が陰謀の悪役とされて排斥され,惨禍を被ったことと同じです。
したがって,重々警戒する必要があります。
 
他人に騙されない,簡単に扇動されないためには,「悪いのは○○だ」と思考停止するのではなく,本当に○○が悪いのか,○○は(皆が)100%悪いのか,○○を取り除ければ良くなるのか,どういう経路で物事が良くなるのか,考え続けることではないでしょうか(考えること自体は自由です)。
 
なお,これは双方の不興を買うかもしれませんが,反対側には,国家に対して,例えば閣僚が辞任するような理由にもならないところで「○○は辞任しろ」等と叫んで止まない人たちもいます。
これも構図を単純化している点では大同小異であると私は思っています。
○○が辞任すれば具体的にどういう経路を辿って物事が良くなるのか?
国や○○をわかりやすい悪役に仕立て上げて,それさえ排撃すれば世の中が一気に良くなるような誤ったイメージを扇動していないか?
具体的なビジョンを持っているのならいいのですが,何もなく特定の人物や集団の排斥を叫ぶだけなら,その思考回路は逆方向で「外国人は出ていけ」と言っている人たちと大差ないことになります。
立場の違いがあるだけで,やっていることが同レベルでは意味がありません。
 
世の中は子供向け漫画やゲームのようにはシンプルではなく,善悪の判別は容易ではなく,人の思いや利害がきわめて複雑に絡み合っており,そこに人の世の難しさと面白さがあると思います。
今回,不当な大量懲戒請求に関与してしまった人にも,よく考えていただきたいところではあります。
 
 

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