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事業・経営

 

事業倒産

事業倒産
 
事業倒産について
当事務所にて最も多いのは通常の個人の債務整理・破産・再生の事件ですが、自営業者・個人会社、またはその代表者個人の倒産事件を扱うことも多くあります。

倒産(状態)というのは法律上の厳密な用語ではないですが、基本的には売掛金や固定費の支払不能状態に至ったことを指します。
手形の不渡を2回出してしまい、銀行取引停止処分になることも倒産と言います。

この項では、事業(会社として営んでいる場合と法人成りしていない自営業者の場合を両方含みますので「事業」と呼びます)の倒産の原因とその処理法等について、専門的な解説というよりは簡単な雑感を書きます。


 
倒産を招く原因
倒産の原因は、瞬間的に生じる場合と、時間をかけて生じる場合があると思われます。

瞬間的に生じる場合は、例えば下請会社において元請会社が倒産し、高額の売掛金が回収不能になった場合などです。
これについては、対策が立てづらいところですが、普段からの地道な売掛金回収と、相手の信用状態が分からない場合には一気に多額の売掛金債権をつくらない努力が肝要かと思われます。

時間をかけて生じる場合は、事業拡大や設備投資が奏功せず、経費は増えたものの売上が思うように増えずに経営が苦しくなり、最終的には銀行融資が得られなくなって消費者金融(サラ金)や、ヤミ金からの借入を始めてしまうケースです。
サラ金も使いようによって繋ぎとしては使えるかもしれませんが、経営者がサラ金に頼らざるを得なくなった時点で既に会社経営には警告灯が点いて非常アラームが作動しているような状態ですので、無理に借入を増やすことなく弁護士等の専門業主に相談することが大事です。
ヤミ金は絶対に使ってはいけません。もし万が一引っ掛かった場合は弁護士にご相談いただくほかないと思われますが、家族の生活や勤務先での立場までも脅かされることになります。なお、ヤミ金とよく似たものとして債務の一本化を図るなどと言って手数料を振り込ませる詐欺のような手口の業者もたまに見られますので、こういった詐欺にも気をつけるようにしていただければと思います。

自営業者・個人会社の方が事業拡大や設備投資で失敗するというのは、特に特定の事件を指しているわけではなく、破産事件・再生事件を処理していると、頻繁に見られる倒産のパターンです。

私も経営の専門家ではありませんので、経営アドバイザー気取りで経営に関する助言をすることはできませんが、これは日々の業務から来る雑感ですので思うことを書かせていただくと、まずは、高額の設備投資というのが、案外に倒産の遠因になっていることが多いという感想を持っています。

例えば高額の最新型工事機械を借財で購入した場合でも、それに対応して受注が増えるとは限りません。受注が増えず売上も増えないのに、かえって支払だけが増えることになります。また、資産を有することになるので、工事機械を所有していることによる税金もかかります。そして、購入時には最新型だった工事機械も、年数が経つに連れて型落ちし、購入時よりもずっと安くなってしまうこともあります。ただでさえ中古品は値下がりするので、型落ちによる値下がりとダブルパンチで、売ろうとしてもなかなか思うような金額では売れません。
そうなると、よほど、その最新型工事機械を自社所有物として揃えておくことで受注が確実に増える見込みがある場合か、その機械が恒常的に無ければ元請業者が別の業者を下請に切り替えてしまう可能性が高いなどの場合でなければ、その最新型工事機械を購入しないほうがよいということになるかと思われます。
リースも、仮に途中で機械を返却したところで、大体は残存債務が出ますし、途中解約は不能ですので、よく考えるべきと思われます。
工事機械のレンタルは、経費のかさむ原因にはなりますが、経営に致命的なダメージを与えることは少ないという印象です。
勿論レンタルをし過ぎて利益が上がらないということになる可能性もあるので、一概にレンタルを礼賛するわけではないですが、新しい型の工事機械が発売された時や、そもそも会社の経営方針や業態を変更したい場合にも比較的柔軟に対応できます。レンタルでは高いから、といってすぐに自社購入するのではなく、よく検討したうえで設備投資をするかどうかを決めたほうが良いと思われます。

また、飲食店系の経営では、店舗の移転や拡大が、意外と経営の失敗に繋がることが多いように思われます。
例えば市街地でカウンター席のみの狭い店舗で経営して繁盛していたラーメン屋が、店舗を拡大して郊外に広い店舗を構えたからといって売上が上がるとは限りません。
狭い店舗であれば2,3人も客がいればそれだけで混んでいるように見えますが、広い店舗だと2、3人程度の客では混んでいるように見えません。逆に閑散とした印象を与えてしまうので、かえって初見の客としては入りづらいという印象を受けてしまうこともあります(よほどの有名チェーンでもない限り、適度に混んでいたほうが人気の店なのかなという感じがして最初は入りやすいものだと思います)。
では客が多く来ればいいのかというと、客が多く来れば当然料理を多く作ることになりますので、注文を受けてから実際に料理をテーブルに運ぶまでの時間は長くなります。回転率が悪くなってしまうので、それに対応するためには料理担当にするか注文・レジ担当にするかはともかくとして、新たに従業員を雇うほかありません。その人件費を考えると、単に賃料が増えた分というだけでなく人件費分も含めて利益を出さなければ店として存続できませんので(借財で店舗拡大した場合はなおさらです)、よほど客がリピーター含めて増えない限りは、メニューの値上げや材料の低額化等も考えざるを得ない状況になります。ただ、無闇に値上げしたり材料の低額化で味が落ちたりすると、競合店、特に同業の大型チェーン店に遅れをとって客が離れる原因になりますので、さらに難しい状況に追い込まれることになります。
ラーメン屋の例は一例であって飲食店系に限りませんが、このようなかたちで経営不振に陥って倒産に至るパターンも多いように思われます。

主要取引先の倒産などアクシデント的な原因で(連鎖)倒産に陥ることはある意味で避けがたい部分もあるかもしれませんが、避けようと思えば避けられる倒産もあると思います。
経営をする際、特に事業が波に乗った場合は、その際の会社の調子が良くても、設備投資や事業拡大にはリスクがあることも十分に検討していただき、結果としてどうしても経営が上手く行かなくなった場合は弁護士等の専門家に遠慮なく早期に相談すべきと思います。

なお、平成24年9月現在ですが、少し前まで「アクオス」シリーズで黄金時代を築いていたシャープですら、テレビ用液晶開発のための巨額投資(堺工場建設など)が奏功せず、各部門の売却を迫られる状況にまで追い込まれています。
事業というのは常に不確実で、ある意味で賭けの要素を内包しているものと思いますので、経営に失敗したからといって「失格」「無能」の烙印を自分に押してしまう必要はないと思います。破産・再生を含む債務整理で立ち直ったら、別の経営を立ち上げることは(破産者にはまず融資をしない銀行実務を考えれば)難しいにしても、経営者ではなく一スタッフとして、苦い経験をも活かしつつ、再び活躍する機会を手に入れるべきです。
弁護士等の専門家に相談することを恥ずかしいと思わずにご相談いただければと思います。


なお、最近読んだ本では『つぶれる会社には「わけ」がある』(日経ビジネス文庫)という本が小説形式で最も読みやすかったので、興味のある方にはお薦めです。


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